第4話:土の下で始まる家づくり
はじめて家を建てる!第4話 ――何もない土地に、人生の土台が打たれていく―― ついに、着工の日が来た。 朝、いつも通り会社に向かいながら、 頭のどこかでずっとそのことを考えていた。 今日から、 あの更地だった場所で工事が始まる。 契約書に判を押したときも、 現実味はあった。 でも、 工事が始まるという事実は、また別の...
はじめて家を建てる!第4話 ――何もない土地に、人生の土台が打たれていく―― ついに、着工の日が来た。 朝、いつも通り会社に向かいながら、 頭のどこかでずっとそのことを考えていた。 今日から、 あの更地だった場所で工事が始まる。 契約書に判を押したときも、 現実味はあった。 でも、 工事が始まるという事実は、また別の重さを持っていた。 もう後戻りはできない。 頭ではわかっている。 それでも私は、 現場が気になって仕方がなかった。 最初に始まったのは、想像以上に地味な工程 仕事帰りに現場へ寄ってみた。 そこには、 大きな重機も、 柱も、 もちろん家の形もない。 あるのは、 白いロープと、 地面に引かれた線だけ。 「これが、着工……?」 正直、少し拍子抜けした。 でも、担当者は言った。 「最初は一番地味です。でも、一番大事なところです」 その言葉が、妙に心に残った。 地盤調査と基礎工事という“本当のスタート” 地盤調査の結果を聞く日 数日後、 地盤調査の結果が出た。 電話口で、 担当者が少し間を置いてから言った。 「地盤改良が必要です」 その瞬間、 胸がギュッと縮んだ。 やっぱり来たか。 心配性の予感は、 こういうときに当たる。 「大丈夫ですよ」と言われても 「この地域では、珍しくないですよ」 「安全のためには必要な工事です」 そう説明されても、 頭の中では別の声が響いていた。 追加費用はいくらか 工期は延びるのか 本当に必要なのか 私は、 一つひとつ確認した。 費用。 工法。 改良の範囲。 担当者は、 資料を見せながら丁寧に説明してくれた。 見えない不安と、見えない安心 地盤改良は、 完成したら見えなくなる。 床の下に隠れて、 二度と直接見ることはない。 だからこそ、 不安になる。 でも、 だからこそ、 ここで手を抜いてはいけない。 「見えない部分こそ、手を抜かない」 以前、誰かが言っていた言葉を思い出した。 私は、 この工事を受け入れることにした。 基礎工事が始まる 現場では、 少しずつ景色が変わっていった。 根切り工事 地面が掘られ、 土の色が変わる。 「ここまで掘...