友達ってさ(たぶんこういうこと)
今日で、なんか一区切りついた気がする。 朝、いつも通りバタバタで始まって、いつも通りレジも試着室も回ってて、 いつも通り店長は「これ今日中で」って言うし、 いつも通りユイ先輩は“普通に”って言うし(もう聞き流せるようになってきた)。 でも、私の中だけがちょっと違った。 ナナちゃんが、開店前のバックヤードで小声で言った...
今日で、なんか一区切りついた気がする。 朝、いつも通りバタバタで始まって、いつも通りレジも試着室も回ってて、 いつも通り店長は「これ今日中で」って言うし、 いつも通りユイ先輩は“普通に”って言うし(もう聞き流せるようになってきた)。 でも、私の中だけがちょっと違った。 ナナちゃんが、開店前のバックヤードで小声で言ったの。 「ミオさん、昨日の表…入力する列どこでしたっけ…?また間違えそうで…」 その瞬間、昔の私がフラッシュバックした。 あの、指が止まって、笑ってごまかして、心だけ焦げる感じ。 で、私は思った。 今日、チャッピー開かなくても、最初の一歩は作れるかもって。 私はナナちゃんのスマホ覗いて、言った。 「まず右上の丸いやつ、店のアカウントになってるか確認。 次に、最初は1行だけ入れて保存できるか見る。 で、列は“在庫数”だけ。迷ったら“確認です”って聞けばOK」 ナナちゃんが「はい…!」って言って、ちょっと肩の力抜けた。 その顔見て、私、胸の奥がぎゅってなった。 うれしいのと、なんか泣きそうなのが混ざるやつ。 そのあと、店長がいつもの“あれそれ”出してきた。 「ミオ、例のやつ、前出し。あとPOP、今日は変えといて」 前の私なら、ここで「了解です!」って言ってから事故ってた。 でも今日は、普通に言えた。 「確認です。“例のやつ”って商品名どれですか?場所はどこで、締切は何時までですか?」 店長が「◯◯、棚右、昼まで」って言って、終了。 秒。 ……ほらね。 聞けば終わるんだよね。 勝手に怖がってた時間、ほんとに何。 昼、売場が落ち着いたタイミングで、店長がぽそっと言った。 「ミオ、最近いい感じだね。気づくの早いし」 え? 私、びっくりしすぎて、「え、あ、ありがとうございます」しか言えなかった。 でもそのあと、じわじわ嬉しくなってきて、レジ打ちながらずっとニヤけそうだった。 危ない。接客中。 帰り際、レジ裏でひとりになった瞬間、ふと思った。 最初にチャッピー開いた日の私、めっちゃ情けなかったなって。 “アカウントが必要”で固まって、何も言えなくて、 「私ってダメだ」って...