Adobe XDはなぜ終わったのか
Adobe XDはなぜ終わったのか ── 主軸ではなかった製品が教えてくれる、デザインツールの構造問題 はじめに:これはAdobeの株価の話ではない Adobe(NASDAQ:ADBE)の株価は、2021年11月の史上最高値から現在(2026年4月時点)まで約65%下落している。 ([MacroTrends][1])...
Adobe XDはなぜ終わったのか ── 主軸ではなかった製品が教えてくれる、デザインツールの構造問題 はじめに:これはAdobeの株価の話ではない Adobe(NASDAQ:ADBE)の株価は、2021年11月の史上最高値から現在(2026年4月時点)まで約65%下落している。 ([MacroTrends][1]) ただし、この下落の主因はAdobe XDではない。 AdobeにとってXDは、Photoshop・Illustrator・Acrobat・Premiere Proといった主軸製品群ではなく、 UI/UXデザイン市場への参入を試みた補完的プロダクトの一つだった。 Adobeの株価問題はCreative Cloud全体へのAI競合リスクの話であり、XDはその中心にいない。 この記事は株価ではなく、Adobe XDというプロダクトの軌跡と、 そこから読み取れるデザインツールの構造問題について書く。 --- Adobe XDとは何だったか Adobe XD(Adobe Experience Design)は、2016年3月14日にmacOS向けパブリックベータとして公開された、 UIデザインとプロトタイピングのためのデスクトップアプリケーションだ。 ([Adobe Blog][2]) Windows向けのベータが同年12月に続き、2017年10月に正式版として出荷された。 ([Wikipedia][10]) XDはCreative Cloud経由でmacOSとWindowsにインストールして使うデスクトップアプリだ。 設計・プロトタイピングは専用のネイティブアプリ上で行い、 完成したプロトタイプやデザインスペックの共有リンクをブラウザで閲覧・コメントする機能は別途用意されていた。 つまり、作成するのはデスクトップアプリ、レビュアーが見るのはブラウザ、という分担だ。 ([Adobe Help][3]) Adobeがこのプロダクトを立ち上げた背景には、Sketchの台頭がある。 2015年のAdobe MAXで「Project Comet」として初公表されたXDは、...